ほそや内科医院|循環器科・内科
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Q&A|ほそや内科医院

血圧の薬とグレープフルーツジュースは、なぜ一緒に飲んではいけないのでしょうか?

高血圧の治療によく使われるカルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースと一緒に飲むと降圧効果が増大して低血圧を招く危険があります。これはグレープフルーツに含まれるフラボノイドという成分が、薬を代謝する酵素(チトクロームP450)の働きを弱めてしまい、薬の血中濃度が上昇してしまうためです。グレープフルーツジュースの影響は数日間持続することもあるので、カルシウム拮抗薬を内服している方は摂取を控えた方が良いでしょう。ザボン、文旦、スイーティーでも同様の現象が現れる可能性がありますが、同じ柑橘系のレモン、カボス、温州みかん、オレンジジュースではこのような現象は見られません。

ワーファリンを服用していると、なぜ納豆を食べてはいけないのでしょうか?

血液の凝固を抑えるワーファリンという薬は、ビタミンKを大量に摂取すると効果が減弱してしまいます。納豆に含まれている納豆菌は、腸内で大量のビタミンKを作り出すため、ワーファリンを内服している方は食べないようにしましょう。納豆以外にもクロレラや青汁には大量にビタミンKが含まれているため摂取は控えて下さい。緑黄色野菜や海藻類などにもビタミンKが含まれていますが、これらは大量に摂取しなければ問題はありません。また、抗生物質、総合感冒薬、解熱鎮痛剤などは、ワーファリンの効果を増強して出血を起こす危険があるので、他院で処方を受ける際は必ずお薬手帳を提示して下さい。

家庭血圧の正しい測り方は?

1. 起床後1時間以内、毎日同じ時刻に
2. 排尿は済ませてから
3. 朝食前、降圧薬服用前に
4. 座位1〜2分の安静後に

上腕用の血圧計を使用し、左右どちらか決まった方の腕で、測定部位と心臓が同じ高さになるようにして測定して下さい。1回目の血圧は緊張や腕帯の冷たさなどが原因で高めになりがちですので、複数回測定し安定した値の平均を血圧値とします。高血圧治療ガイドライン(JSH2004)では、135/85mmHg以上を高血圧とし、125/80mmHg未満を正常血圧としています。

早朝高血圧とは?

通常、血圧は夜には下がり、明け方の目覚める頃から上がり始めますが、夜になっても下がらなかったり、明け方に著しく上昇したりすることがあり、これを早朝高血圧と呼んでいます。脳卒中や心筋梗塞などの発作は早朝に多いため、早朝高血圧との関係が注目されています。夜寝ている間は体を休めるため、副交感神経が優位に働いていますが、明け方は体が目覚めるための準備を行うため、交感神経系が優位になり血圧や脈拍が急に増えます。また、明け方は発汗などのため血液が濃縮し、血管の中に血栓ができやすくなる時間帯でもあります。この様な条件が重なるため、明け方に脳卒中や心筋梗塞が起こりやすくなると考えられています。早朝と寝る前に血圧を測定し、それぞれの収縮期血圧が135mmHg以上で、しかも早朝の血圧が寝る前より20mmHg以上高い場合は早朝高血圧の可能性があり、早朝までしっかりと血圧を下げる薬に変更する必要があります。

胸が痛くなることがあるのですが、狭心症でしょうか?

胸痛が起こる主な病気は、狭心症、心筋梗塞、解離性大動脈瘤などの循環器疾患、肺炎、気管支炎、自然気胸、肋膜炎、肺塞栓などの呼吸器疾患、肋間神経痛、帯状疱疹などがあります。その他、食道潰瘍、逆流性食道炎、胃・十二指腸潰瘍、急性膵炎、胆のう炎などの消化器疾患でも胸痛を感じることがしばしばあります。狭心症の中には体を動かしているときに起こる労作性狭心症や、睡眠中に起こる安静時狭心症などがあり、24時間連続して心臓の働きを記録できるホルター心電図検査が必要な場合があります。短時間の軽い胸痛発作であっても、その回数が増えたりしたときは迷わずご相談下さい。

動悸を自覚するのですが、治療が必要でしょうか?

動悸症状を訴える代表的な不整脈には、期外収縮、心房細動、発作性頻拍症などがあります。
期外収縮: 最も多く見られる不整脈です。70〜80%は無症状ですが、ドキッとして一瞬心臓が止まるような感じ、動悸、めまい、胸部不快感などの症状を訴えることもあります。
心房細動: 心房が漣(さざなみ)のように細かく震え、心室がまったく不規則なリズムで収縮をくり返す不整脈です。動悸や息切れを訴え、心臓内に血栓が形成され、脳梗塞(脳塞栓)や心筋梗塞などの動脈塞栓症を引き起こすこともあります。著名人では、田中角栄氏、長嶋茂雄氏が心房細動から脳梗塞を起こしています。
発作性頻拍症: 突然起こり、突然停止する激しい動悸を特徴とする不整脈です。発作中は脈拍の測定が困難なことが多く、めまいや失神を起こすこともあります。頻拍発作が長時間持続すると、心不全を併発することもあります。

期外収縮の多くは治療不要ですが、心房細動、発作性頻拍症は治療を要することが多く、ホルター心電図検査、心臓超音波検査などを行う必要があります。

足がむくむのですが、どこが悪いのでしょうか?

むくみは体の細胞や組織の間に水分が溜まることによって起ります。この状態を浮腫と言い、主に腎臓、心臓、肝臓に障害があるときに見られます。その他に、疲労、水分・塩分過多、甲状腺機能低下症の場合にも見られます。腎疾患が原因の浮腫は、尿検査や血液検査などで腎機能を検査します。心機能低下が原因の浮腫は、胸部レントゲン検査、心電図、心臓超音波検査などを行い診断します。肝機能障害が原因の浮腫・腹水は、血液検査、腹部超音波検査、CT検査などを行って診断します。甲状腺機能低下症の場合は、指で押しても凹まないむくみが起こり、血液中の甲状腺ホルモンや甲状腺自己抗体を測定します。いずれの場合も原因となる基礎疾患の治療が必要となりますので一度ご相談下さい。

携帯電話の電波が植込み型ペースメーカに及ぼす影響は?

電源スイッチが入っている携帯電話が植込み型ペースメーカに極めて接近した場合、次のような現象が起こることがあります。
1. 徐脈になってもペースメーカが心臓を刺激せず、めまいや失神などの症状が出現する。
2. ペーシングレート(1分間にペースメーカが心臓を刺激する回数)が急に増加し、動悸などの症状が出現する。

これらの影響は携帯電話をペースメーカから22cm以上離すことで速やかに元の状態に戻ります。携帯電話の電源スイッチが入っていると、たとえ呼び出し中や通話中でなくても基地局に対して電波を出すことがあるので、医療機関の待合室では携帯電話の電源スイッチを切るようにお願いします。
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